これからのマレーシア

今から言うことは全て20年間マレーシアに育った経験に基づいた私の意見に過ぎない。証拠なんか求められても決して一つも挙げられないけど、意見を言うのも私たちの権利じゃない？政府にばれたくないから日本語で書いてるのじゃなくて、マレーシアの出来事に興味のある日本人に向けて書きたいからと思ってね。それに、いつかこの自称政府にばれて掴まれても、この意見を書いたことは後悔しない。後悔するとしたら、間違った言い方で人を傷つけてしまった時だけ。その時は深くお詫びいたします。

ただの2，3週間だけで私は改めてマレーシアのニュースを読まずにはいられなくなった。とある日とある知り合いから不思議なメールが来たから少しだけBersihというマレーシアの非政府組織について検討してみた。なんだ、公平な選挙を要求している組織なんだ。びっくりする話でもないわ、よくある話だから。マレーシアの選挙がいかにも不公平なのは誠実な人なら、マレーシアに住んだことがあるだけでも誰もがわかる。私もずっとその真実を自分の目で確かめてきた。選挙がある度に、50年以上前から政権を握っている与党Bはメディアを操って野党をバカにしたりちっとも野党の言いたいことを言わせたりしない。マレーシアの主流メディアは何らかの理由で常に与党Bのわがままを聞かなくてはいけない。そして警察まで操って野党に決して演説をさせない。時には野党がテロだというでっち上げを企む。時には野党のメンバーを筋の通らないわけで逮捕して洗脳しようとする。ひどい時は野党のメンバーをどこかに連れて行って殺害する。よくあることだ。殺人の件は与党Bの仕業だとは確信できないけど、投票者としてはどうも怪しい与党Bを一度国会の席から外させて、他の政党に真実を調べさせてみたいのは当然じゃない？それなのに汚らしい手段で野党に泥を塗るのはなぜ。民主主義とはな、政党が一つだけでは成り立たないの。

Bersihのことを分かったとき、私は特に興味なかった。わかったのは、Bersihが公平な選挙を正式に申し込んだけど、断られた。つまりバカバカしいとか言われた。｢マレーシアの選挙は公平だ｣と与党Bがずっと主張し続けた。それでBersihは決心した。与党Bは国民の気持ちがどうしてもわかってくれないから、人を集めて集会を行おうと。そうすると、パニックった与党Bは集会に出る人を逮捕するなどと警告をしたり、またもでっち上げを作ったりしたが、それでもBersihは集会をやめないと主張した。そこで首相は提案した。集会は道じゃなくてスタジアムでやってくれれば、認めてやると。Bersihもそのほうがいいと言って、賛成した。

日がたって、やっと集会が終わっただろうなと思った時にニュースを読んでみた。なんと、集会はスタジアムじゃなくて道で行われて、けが人も逮捕された人もいた。かなり世界的に騒ぎになっていた。どういうことだろうと思って、聞き込みしてみた。マレーシアの主流ニュースは頼りないからな。みんな与党Bの味方だから。

これは全部証言に基づいた事実だ。集会の前日に約束されたスタジアムがいきなり使えないと警察側から断られて、Bersihは仕方なく道で行うことにした。つまり首相に騙されたってことだ。しかも当日警察は集会に来る人を足止めにするために郊外から都内への出入りを禁止して、大変な交通渋滞になった。そして集会で武器らしきものを一つも持たない約5万人に対してゴム弾で発砲したり、催涙ガスを噴射したり、消防車の噴水に刺激的化学物質を混ぜて人の流れを押しつけたりした。また警棒で人をたたいたり蹴ったりしていた。この事件で死亡者一人、けが人は多かった。抵抗もできない国民に、よくも乱暴な事をしたな首相さん？

その後の記者会見で、首相らそれぞれ嘘をついて、｢参加者に指一本触れてない｣とか「参加者が暴れそうになった｣とかでたらめばかり言ってた。人々がとった映像を見たら首相らの真っ赤なウソはとても聞きづらい。このことについては他国のメディアでも語ってる。首相らの嘘は国の恥だ。いや、彼ら自身が国の恥と言っていいかもしれない。

とは言って、わざわざこの記事を書いたのは首相らの悪口を言うためではない。何があったのかを予め知ってほしいのと、それに基づいた私の更なる意見を言いたいから。

まず、私はBersihに反対していない。公平な選挙も私の純粋な望みである。誰が政権を持つかは国民が選べばいい、とりあえずまずその選ぶ権利を返してほしいんだ。そして不正なる同人の多数投票、死人の存在するはずのない投票、海外に住んでいる人たちの郵便投票の乱用、そういうのやめてほしいんだ。それ望んで悪くないでしょ？
だけど、Bersihの全てがいいとでも言っていない。目的は確かめさせてもらったけど、参加者ももっと誠実になってくれないと、喧嘩しか生まないよ。インターネットのおかげで、あらゆる人の意見が聞けた。正義を求めるのはいいけど、相手みたいに人をバカにしないでほしい、言葉の暴行に注意してほしい。言葉は人の鏡だから。みんな暴行したら、国はどうなるんだ？みんな正義を望むなら、集会でもデモでも会議でも何でもやれ、とりあえず冷静に。行為だけじゃなくて言葉も冷静に。ったくマレーシア人ってばすぐ喧嘩を売るんだから・・・

そして関係のない人、関係のないことを巻き込まないでほしいねん。与党Bのみんなが悪いわけではない、優しい人もいる。改革と正義を望む国民を敵として思ってる首相らと一緒にしないでほしい。がんばろうね、マレーシア人たちよ。